研究課題/領域番号 |
18K05742
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾張 敏章 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00292003)
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研究分担者 |
石橋 整司 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30212921)
廣嶋 卓也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40302591)
當山 啓介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (00613001)
中島 徹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10598775)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スギ人工林 / 長期成長過程 / 森林経営史料 / 旧空中写真 / 固定試験地 |
研究実績の概要 |
本研究で収集・整備した各大学演習林の森林経営史料および空中写真を用いて、スギ高齢人工林の長期成長過程の定量的復元と、空中写真の3Dモデル構築に関する以下の研究調査を実施した。 東京大学千葉演習林(千葉演)に現存する森林経営史料から、過去の各年代における森林成長の集積結果である森林蓄積の推移を明らかにし、学術誌に論文投稿して受理された。また、千葉演と東京大学秩父演習林(秩父演)にあるスギ固定試験地の測定記録を利用して、スギ高齢人工林の成長特性に関する解析を行った論文が学術誌に掲載された。 千葉演とソウル国立大学校南部演習林(ソ大演)の固定試験地を対象として無人航空機(UAV)で撮影した空中写真に、写真測量・3Dモデリング用ソフトウェアを用いた多視点ステレオ写真測量(SfM)を適用し、スギ高齢人工林のオルソ画像と林冠高モデルを生成する際の精度改善方法について検討を行った。また、航空機レーザ(LiDAR)データによって取得された数値標高モデル等によって、千葉演の人工二段林の成長にかかる地形因子の解析を行った。 2021年3月にオンラインで開催された日本学術振興会研究拠点形成事業中間シンポジウム「環境変動と生態系応答の長期森林観測フィールド研究拠点:データ・知・人材の協創」において、スギ高齢人工林の長期成長過程に関するソ大演および国立台湾大学実験林(台大演)との共同研究の取り組みを報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年秋の台風・豪雨で被災した林道の復旧工事により、千葉演と秩父演ではスギ固定試験地へのアクセスが困難な状態が続いた。また、世界的な新型コロナウイルス感染拡大が収束せず、ソウル大および台湾大での現地調査を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに収集・整備した各大学演習林の森林経営史料・旧空中写真を用いて、スギ高齢人工林の長期成長過程の定量的復元、および固定試験地データとの比較分析に関する研究調査を実施する。調査結果を踏まえ、各調査地におけるスギ高齢人工林の長期成長過程の特性を比較・考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
台風被害と新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現地調査とデータ収集・入力・解析、空中写真画像データ購入の一部を次年度に実施することとした。現地調査の実施にあたって必要な機材等の購入、データ収集・入力謝金、空中写真画像データ・解析用ソフトウェアの購入、調査研究旅費等に研究費を使用する計画である。
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