| 研究課題/領域番号 |
18K05753
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| 研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
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研究代表者 |
宮本 和樹 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60353877)
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| 研究分担者 |
相場 慎一郎 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (60322319) [辞退]
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 細根 / 熱帯林 / 伐採 / ボルネオ |
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| 研究実績の概要 |
ボルネオ熱帯林における伐採インパクトの違いが細根現存量の回復時間に及ぼす影響とその要因を明らかにするため、ボルネオ島の低地熱帯林の原生林と過去に伐採が行われた森林を対象に調査区を設置し、樹種組成、地表面の状況および地下部細根現存量を比較した。
調査地はマレーシア・サバ州のMaliau Basin森林保護区とその周辺地域で、保護区内の原生林1か所と周辺地域の伐採林2か所（2005-2010年伐採の伐採林（旧）および2015年伐採の伐採林（新））に50 m x 50 mの調査区を設置した。調査区内の胸高直径5 cm以上の個体について毎木調査を行い、胸高直径、樹高の測定と樹種の同定を行った。原生林の優占種はフタバガキ科樹種であったが、2か所の伐採林ではフタバガキ科樹種のほかMacaranga属に代表されるパイオニア種が優占していた。伐採作業による地表撹乱の状況を把握するため、深さ15 cmの土壌コアを採取し土壌容積密度を求めた。また、深さ5cmと5-15cmにおける土壌コアから細根を採取し、細根の現存量を森林間で比較した。土壌容積密度は通常の林内では差は見られなかったが、伐採林を通る作業道では林内よりも土壌容積密度が有意に高かった。また、原生林と比べた場合、伐採林の細根現存量は深さ5 cmでは森林間で有意差がみられなかったが、深さ5-15 cmでは伐採林（新）の作業道でのみ細根現存量が有意に低かった。以上のことから、伐採林（旧）は伐採林（新）と比べて林内、作業道いずれも原生林に近い細根現存量を有しており、回復傾向にあることが示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究基盤である調査区の設置が整い、地上部の樹種組成や地表の土壌撹乱状況、そして地下部の細根現存量の調査を予定通りに進め、着実にデータが収集されている。また、日本生態学会大会での発表等を通じて成果の発信にも努めているため。
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| 今後の研究の推進方策 |
伐採履歴の異なる調査区において樹木サイズ計測と樹種同定とデータ解析を進め、伐採履歴の違いが森林地上部の構造や種組成に及ぼす影響を明らかにする。地下部については、根なし土壌円筒（イングロースコア）を設置し細根生産量の推定を進める。以上のような予定ではあるが、新型コロナウイルスの感染拡大により海外渡航の目途が立たない状況のため、事態の終息まではこれまでに得られた森林地上部と地下部のデータ解析を進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
海外調査の日数が予定と実際とで異なったことなどにより生じたものである。研究課題の遂行に必要なソフトウェア等の消耗品購入に使用する予定である。
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| 備考 |
（国研）森林研究・整備機構 森林総合研究所ホームページ： 国際連携バナーより共同研究からアクセス
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