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2019 年度 実施状況報告書

NFI(国家森林資源調査)データの不連続性の評価と補正手法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K05755
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

北原 文章  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50582748)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード森林生態系多様性基礎調査 / NFI / 不連続性の評価 / 樹高
研究実績の概要

長期固定試験地データとして、四国、九州支所において調査が行われている収穫試験地のデータを収集し、四国における長期データについて3カ所の試験地においてデ-タの収集を行った。短期固定試験地データは、森林生態系多様性基礎調査精度検証事業(林野庁事業)において行われた2時期目の再測調査データについて取得した(調査は昨年度実施し、林野庁事業の契約上の都合より本年度取得)。3期分の立木データを用いた基礎解析の結果、西日本におけるスギ人工林529点のうち69.2%のプロットが第1期から第3期にかけて蓄積が増加していたが、30.8%のプロットではどこかの時点で不自然に減少しており(伐採や枯死等の影響は除く)、不連続性が認められた。その要因分析をした結果、調査本数、DBHや樹高の測定値がその変化量や蓄積に与える要因であることが明らかとなり、特に樹高については、1期から2期については最も影響度合いが高かったが、2期から3期にかけては低くなっていた。これらの影響度合いの低下については品質保証プログラムの成果が効いているものと考えられるが、調査デザイン上の問題もあると考えられた。樹高の測定誤差の他に、各期における選木による樹高曲線のモデル誤差により樹高推定値の連続性が保たれない可能性を評価するために、2つのプロットにおいて全木の樹高を測定し、モンテカルロ法を用いて様々な組み合わせによりモデル式を構築し推定誤差を算出した。その結果、選木による林分材積の誤差は数%であることが明らかとなり、直径や樹高の測定誤差に起因する誤差の方が大きいことが示唆された

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

長期固定試験地データおよび短期固定試験地データについては、予定通りデータを取得した。研究課題の目標である一般化差分式を用いた不連続性の評価については、遅れているが当初の予定とは異なる手法によって評価を行っており、達成状況および成果については順調とした。

今後の研究の推進方策

不連続性が確認されたNFIデータ(30.8%)において,作成したモデル式を誘導することで信頼性の高い時期のデータから過去のNFIデータの補正手法を構築する。
不連続データについて補正の有無による,地域レベルでの蓄積量や蓄積変化量,またそれらの信頼性(標準誤差率の変化)を比較することで,補正の効果を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

委託予定であったデータが計画していた予算より安価に取得ができたため、繰越金が発生した。繰越分を追加調査および検証調査として使用したが、年度末に感染症拡大防止のため予定していた出張がいくつか中止となり、さらに繰越金が発生した。R2年度は引き続き検証調査や成果発表のための学会参加により予算を使用する予定であるが、移動制限等の情勢を鑑みると現段階での予算計画は未定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 森林計画学会春季シンポジウム2018「国家森林資源調査(NFI)のこれまでとこれから」開催報告2019

    • 著者名/発表者名
      北原文章
    • 雑誌名

      森林計画学会誌

      巻: 52 ページ: 89-96

    • DOI

      https://doi.org/10.20659/jjfp.52.2_89

  • [学会発表] Evaluation of data continuity in Japanese National Forest Inventory2019

    • 著者名/発表者名
      KITAHARA Fumiaki
    • 学会等名
      IUFRO World Congress
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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