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2019 年度 実施状況報告書

ニトロベンゼン酸化法の改良によるリグニンの単位間構造解析の拡張

研究課題

研究課題/領域番号 18K05757
研究機関北海道大学

研究代表者

幸田 圭一  北海道大学, 農学研究院, 講師 (80322840)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードアルカリ性ニトロベンゼン酸化 / リグニン / バニリン / 生成物収量
研究実績の概要

古典的なアルカリ性ニトロベンゼン酸化法では、フェノール性ヒドロキシ基を分子中に1つだけ有する、芳香族アルデヒド、ならびに芳香族カルボン酸が代表的な反応生成物である。本研究課題の2年度目に当たる今年度は、通常のニトロベンゼン酸化生成物としては検出されず、定法の反応条件下では不安定で回収が難しいとされてきたカテコール核構造(芳香核の隣接位に2つのフェノール性ヒドロキシ基を持つ構造)を有する芳香族アルデヒドや芳香族酸(慣用名:プロトカテキュアルデヒド/プロトカテキュ酸)の回収を試みた。アルカリ性条件下において、硼砂の添加によるホウ酸エステルの生成は、アルカリ性において有効な保護基として働き、170℃にも達する激しい反応条件下でも安定的に働き、反応終了後に常温まで戻せば、反応液を弱酸性した抽出条件で容易に脱保護でき、目的とする生成物を回収できると予想できたためである。しかしながら、検討したいくつかの条件下では、再現性良くこれらの目的化合物を回収し、定量できるには至らなかった。反応条件や抽出条件になお検討の余地があると考えられる。なお、前年度に課題として残った事項、すなわち相関移動触媒の添加によるニトロベンゼン酸化生成物収量の向上を目的として、シラカンバ木粉を対象とした酸化処理条件の設定数や実験の繰り返し処理、微粉砕の程度を変えて、実験的に検証する予定も当初計画にあったが、手が回らなかったため、引き続き次年度の検討課題とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画の一部は達成できたが、今年度は担当講義数の急増や学会大会(国内・国際)の主催等が重なり、当初計画していたエフォートを割けなかったことが計画遅延の要因として大きい。

今後の研究の推進方策

次年度については、新型コロナ対応の影響(遠隔授業コンテンツの作成など、緊急を要する講義対応など)により、研究遂行に割ける時間と労力に関して大きな制約を受けることが予想されるが、可能な範囲で計画を遂行する予定である。カテコール核を有する芳香族アルデヒド/芳香族酸については、引き続き収率に対し、再現性のある条件を見出すことを目指す。木質系試料については、今年度新規に導入した遊星型ボールミルを活用し、粉砕度の影響を中心に検討を重ねる予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は大型機器(遊星型ボールミル)の導入により、前年度の繰越額を予定通り消化できたため、次年度使用額(繰越額)の規模は許容範囲内(1万円未満)に抑えられたと言える。次年度の予算についても、計画通り執行できると考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] A quantitative study on lignin in tree leaves, using methoxy content and yields of nitrobenzene oxidation products2019

    • 著者名/発表者名
      Shutaro Tomiyama, Keiichi Koda, Toshizumi Miyamoto, Yasumitsu Uraki
    • 学会等名
      The 1st International Lignin Symposium
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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