樽酒モデル飲料を室温保存し、経時的にアミノ酸分析を行った結果、対照の市販日本酒に対して組成・濃度の差が見られなかった。樽酒モデル飲料と対照の基本五味を味覚センサーによって測定した結果、前者では苦味の増加と甘味の減少が確認され、味覚を辛口寄りに変化させることが判明した。一方、うま味の変化は少なく、アミノ酸の分析結果を支持する形になった。スギ心材抽出物が樽酒の味覚の変化へ及ぼす原因になる成分をsequirin-C及びagatharesinolと特定した。日本酒中でスギ心材抽出物が高い糖化抑制作用を示しスッキリした味覚の印象を保つことを明らかにすると共に主な寄与成分をsequirin-Cと特定した。
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