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2021 年度 実施状況報告書

水産増養殖事業を介して移動する海洋生物の実態―環形動物多毛類から読み解く―

研究課題

研究課題/領域番号 18K05777
研究機関東北大学

研究代表者

大越 和加  東北大学, 農学研究科, 教授 (20233083)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード貝類養殖 / 非意図的移入種 / 人為的攪乱 / 環形動物 / 多毛類 / スピオ科 / polydorids
研究実績の概要

有用な貝類の貝殻に生息するスピオ科多毛類の種類について、長年にわたってカキ類の養殖が盛んな北フランス、ノルマンディのマガキに生息する種群について詳細に解析を行った。養殖、天然のマガキについては4つの養殖場、また、天然の石灰基質については2海域で採集を行ったサンプル標本を用いて、形態学的、遺伝学的、生態学的特性を解析した。その結果、8種類のスピオ科が確認され、それらは Polydora onagawaensis, P. websteri, P. hoplura, Dipolydora giardi, Dipolydora sp., Boccardia proboscidea, B. pseudonatrix, Boccardiella hamata であった。Polydora onagawaensis はヨーロッパ海域初記録であり、その他にもイギリス海峡初記録、ノルマンデイ初記録がみられた。
国内では、宮城県沿岸のホタテガイ、マガキなどの有用な貝類の貝殻に生息するスピオ科多毛類を採集し、それらの種の判別を詳細に行った。とくに、Polydora onagawaensis が多く採集され、近年報告されたアメリカやヨーロッパの個体との形態学的、遺伝学的差異について比較検討を試みた。貝殻への侵蝕状況の解析も行った。Polydora onagawaensis の有用貝類の貝殻への侵蝕状況は調べた海域では大きくなかった。本種の虫体のサイズが小さいために侵蝕状況は大きくはなく、この結果はこれまでの結果と一致するものであった。
同時に、すでにサンプリングを終えている海域のスピオ科種群について、固定サンプルを元に形態学的特性を解析した。
結果については、学会等で発表し、かつ、論文を投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍により、予定していた新規の海外の海域にサンプリング調査に行くことができなかった。よって、現場フィールドでサンプル標本を得ることも現場の調査を行うこともできず、解析についても計画通りに進んでいない。

今後の研究の推進方策

予定している海域でサンプリング調査を実施し、解析を進める予定である。可能な限り結果をまとめて発表を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、予定していたサンプリングやそれに伴う様々な調査、解析が制限され、予定通り研究を実施することができなかった。次年度では予定していたサンプリングや調査を計画に沿って実施するために研究費を使用する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] CAEN University(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      CAEN University
  • [雑誌論文] Molecular identification and larval morphology of spionid polychaetes (Annelida: Spionidae) from northeastern Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Abe H, Sato-Okoshi W
    • 雑誌名

      ZooKeys

      巻: 1015 ページ: 1-86

    • DOI

      10.3897/zookeys.1015.54387

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Dynamics of macrobenthos communities in soft bottom sediments following the Great East Japan Earthquake and tsunami2021

    • 著者名/発表者名
      Waka Sato-Okoshi
    • 学会等名
      OIST-TOHOKU Joint Workshop on Marine Science: Ocean-Collapse and Regeneration
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 宮城県蒲生干潟のカキ殻に生息するスピオ科多毛類 Polydora websteri の生物学的特性2021

    • 著者名/発表者名
      永井優貴・濱松郁美・岸 翔太・西谷 豪・大越和加
    • 学会等名
      日本水産学会東北支部大会
  • [学会発表] 宮城県蒲生干潟のカキ殻に生息するスピオ科多毛類 Polydora websteri の個体群動態2021

    • 著者名/発表者名
      永井優貴・濱松郁美・岸 翔太・西谷 豪・大越和加
    • 学会等名
      日本ベントス学会
  • [学会発表] Diversity of polydorid species (Polychaeta: Spionidae) in the English Channel (France) and on the Pacific Coast of Tohoku District (Japan).2021

    • 著者名/発表者名
      Jean-Claude Dauvin, J-C., Sato-Okoshi, W., Okoshi, K., Abe, H.
    • 学会等名
      The 18th Colloque Japonais-Franco d' Oceanographie, (Maison Franco-Japonaise, Tokyo, Japan)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 持続可能な開発のための国連海洋科学の10年2021

    • 著者名/発表者名
      窪川かおる・大越和加他21名
    • 総ページ数
      67
    • 出版者
      学術の動向

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公開日: 2022-12-28  

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