流水環境での生態系被害が懸念されているにもかかわらず,生態的知見に乏しかった特定外来生物コクチバスの河川における生態を把握し,有効な駆除方法を開発することを目的とした。調査は本種の侵入後間もない三重県雲出川で行い,(1)環境DNAを使って侵入範囲の全体像を把握した。(2)胃内容物分析と安定同位対比分析から,成長に伴い水生昆虫から魚類へと食性を変化させ,アユへの依存度も高いことを明らかとした。(3)侵入地点の餌魚の食性を未侵入地点と比較し,直接的な捕食以外に餌の競合や捕食回避行動による間接的影響も受けていることを明らかとした。
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