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2020 年度 実績報告書

サクラマスにおける生活史多型の遺伝的基盤の解明:代謝関連遺伝子に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 18K05796
研究機関日本獣医生命科学大学

研究代表者

山本 俊昭  日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (30409255)

研究分担者 北西 滋  大分大学, 理工学部, 准教授 (90552456)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードRNAseq / リアルタイムPCR / スモルト / 成熟 / 生活史多型 / 遺伝子発現量
研究実績の概要

本研究の対象種であるサケ科魚類の一種サクラマスは同種内に大きく分けて2つの生活史が存在する。ひとつは河川で成長し成熟に達する残留型であり、もうひとつは河川で成長した後に海を回遊し、再び繁殖のために河川に遡上してくる降海型である。本研究では同種内に見られる生活史多型に関連する遺伝子探索を行った。具体的には生活史初期に性成熟に達するオスと未成熟のままであるオスの遺伝子発現量を網羅的に比較を行った。さらには海洋に適応するために生理的な変化が起きる時期に銀毛変態した個体と非銀毛の個体間での遺伝子発現量も調べた。発現量の測定にはRNASeqを行い、その時期に発現量が多い遺伝子を関連する遺伝子として探索を行った。その結果、銀毛の時期に関連する考えられた遺伝子は8つに絞ることが出来た。さらに、リアルタイムPCRにおいても銀毛した個体においてのみ発現していることを確認した。一方で、RNAseqによって生活史初期の成熟に関連する遺伝子は相当数の遺伝子発現が観察されたことから、発現量の高い遺伝子を中心にリアルタイムPCRで発現量を確認した。現段階では、多くの遺伝子がどのような機能を司っており、どのような関連性を持っているのかを解析している。また、組織ごとによる発現量の比較を行い、どの組織で発現量が高まっているのか、さらにはどのような時期にターゲット遺伝子の発現量が上昇しているのかを比較している。特に銀毛の時期に関連していると考えられた遺伝子は限定的であることから、生活史多型の出現機構に関する研究において更なる発展が期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effect of parental phenotype on dispersal, growth and maturation of offspring in wild masu salmon (Oncorhynchus masou)2021

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Toshiaki、Kitanishi Shigeru、Metcalfe Neil B.
    • 雑誌名

      Evolutionary Ecology

      巻: 35 ページ: 253~269

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Links between paternal life history and offspring metabolic rate and body size during early life in masu salmon Oncorhynchus masou2021

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Toshiaki, Kitanishi Shigeru, Masato Sato, Yagisawa Masaru, Kishi Daisuke
    • 雑誌名

      Ecology of Freshwater Fish

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 尾瀬ヶ原の下ヨサク沢に生息するイワナSalvelinus leucomaenlsの遺伝的特性について2021

    • 著者名/発表者名
      山本俊昭、藤原英史、萩原富司、野原精一
    • 雑誌名

      陸水学会誌

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Examining multiple paternity in the raccon dog (Nyctereutes procyonoides) in Japan using microsatellite analysis.2020

    • 著者名/発表者名
      Sugiura N., Ochiai K., Yamamoto T., Kato T., KawamotoY., Omi T., and Hayama S.
    • 雑誌名

      The Journal of Veterinary Medical Science

      巻: 82 ページ: 479-482

    • 査読あり
  • [学会発表] サクラマスにおける早熟雄の閾値は集団構造で変化するのか?2020

    • 著者名/発表者名
      山本俊昭
    • 学会等名
      第20回東日本魚類研究会

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公開日: 2021-12-27  

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