研究課題/領域番号 |
18K05802
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
中谷 武志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 研究プラットフォーム運用開発部門, 技術研究員 (00581753)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | AUV / 海底面 / 画像マッピング / 特徴量抽出 |
研究実績の概要 |
本研究では、自律型海中ロボット(Autonomous Underwater Vehicle, AUV)を底生生物の資源量計測に導入して、これまでコスト・技術の両面から困難であった、海底面画像マッピングに基づいた広範囲かつ精密な生物資源量計測を実現する。従来の底生生物調査は底引き網や曳航ソリ式ビデオカメラによって行われてライトや泥の巻き上げなどの問題が生じていたが、本研究では、海底から一定の高さを保って計測することが出来るAUVを用いることにより、”場”を乱すことなく静かに接近でき、“生物たちのいつもの生活”を画像として撮影することが可能となる。また、AUVの優れた機動性により、複雑な地形でも調査ができ、さらには複数の測線を密に取ることによって面的な調査が可能となる。各種の学術的調査や、水産資源開発の議論に用いるための定量的なデータを取得することを目的とし、mmオーダーでの海底面形状と画像の取得手法、取得データの自動処理による3次元画像マッピングおよび定量的解析手法までを含めた総合的な計測システムを開発する。 開発項目としては「高精度な海底面画像スキャン装置」「3次元画像モデリング技術」「海底面画像からの特徴量抽出アルゴリズム」があり、当該年度は海底面画像スキャン装置の製作および、各種のソフトウェア開発を進めた。具体的には、光切断法を用いたスキャン装置本体および制御用ソフトウェアの製作、モデリングソフトウェアの開発、特徴量抽出に向けたディープラーニングの導入とモデルケースでの動作確認を行った。あわせて、次年度以降の開発および各種試験の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、前年度に行なった設計に基づき、本研究の主要開発項目である「高精度な海底面画像スキャン装置」「3次元画像モデリング技術」「海底面画像からの特徴量抽出アルゴリズム」の開発を進めた。具体的には、光切断法を用いたスキャン装置本体および制御用ソフトウェアの製作、モデリングソフトウェアの開発、、種や体長などの特徴量抽出に向けたディープラーニングの導入とモデルケースでの動作確認を行った。装置制御部の製作やディープラーニング開発環境の構築などの作業において、ハードウェア・ソフトウェアともに当初想定よりも作業に時間を要して、計画の一部に遅れが生じている。具体的には、当該年度に予定していた水槽試験を次年度に実施する。ただし、次年度は当該年度よりも余裕を持った実施計画となっており、遅れを取り戻すことが出来ると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度までの研究成果をもとに、ソフトハウスの協力を得ながら「3次元画像モデリング」「海底面画像からの特徴量抽出」のソフトウェア改良を進め、処理速度および精度を向上させる。そして、開発した「海底面画像スキャン装置」を用いて実際に水槽および実海域にてデータを取得して処理し、繰り返し改善して実環境データに対する処理のロバスト性を向上させ、システムとしての完成度を高める。また、最終年度となるため、システムを総合的に評価し、研究成果としてまとめ、学会や学会誌等での発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、本研究の主要開発項目のうち「高精度な海底面画像スキャン装置」「3次元画像モデリング技術」「海底面画像からの特徴量抽出アルゴリズム」の開発を進めた。具体的には、光切断法を用いたスキャン装置本体および制御用ソフトウェアの製作、モデリングソフトウェアの開発、種や体長などの特徴量抽出に向けたディープラーニングの導入とモデルケースでの動作確認である。装置制御部の製作やディープラーニング開発環境の構築などの作業において、ハードウェア・ソフトウェアともに当初想定よりも作業に時間を要して、計画の一部に遅れが生じている。具体的には、当該年度に予定していた水槽試験を次年度に実施する。使用計画としては、使用年度が次年度に変更になる以外は使途について変更は無い。
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