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2018 年度 実施状況報告書

藻場の揺れをモニタリングする-加速度ロガーによる藻場植生に好適な流動環境の解明-

研究課題

研究課題/領域番号 18K05808
研究機関国立研究開発法人水産研究・教育機構

研究代表者

島袋 寛盛  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 瀬戸内海区水産研究所, 研究員 (00569452)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード藻場 / 気候変動 / 流動 / 水温 / 磯焼け
研究実績の概要

藻場に影響を与える環境要因は水温と流動が最も大きいとされている。瀬戸内海では藻場の衰退が多く確認され、気候変動や人工的な海岸改変による海域の静音化や流動の変化が指摘されている。そこで本研究では加速度ロガーで海藻の揺れをモニタリングし、藻場植生ごとに好適な流動環境はあるのかを解明する。
本年度は、海域での流動を記録するための加速度ロガー装置をどのように設置すれば良いのか、また実際の流動の強さを把握するにはどのようなインターバルで計測を行えば良いのかを解明するため、瀬戸内海の各所においてロガーを設置しその耐久性等を検証した。その結果、基質とロガーをつなぐロープはステンレス製ではサビやねじれに弱く、ポリエチレン製が良いことがわかった。また潮下帯の藻場が安定する場所では2kg程度のウエイトに固定することでロガーの流失は防げるが、波の強い場所では基質にアンカー等を打ち付けて固定する必要があった。いずれの場合でも適切に設置すれば消失せず、記録を行えることがわかった。また波動環境シミュレーションでの実験結果を解析し、加速度ロガーから得られる値から波の強さを表す流速振幅を把握を試みた。
これらの結果から、山口県周防大島町の実際の藻場において、「アラメカジメ場」「ホンダワラ場」「アマモ場」など流動により植生が異なると想定される場所に加速度ロガーを設置し、実際の流動の記録を行っている。またアラメカジメ場からクロメを採取し、他のサイトに移植を行い、流動の違いが与える生理的な影響についても、記録を行っている。本年度と来年度にかけての継続実験のためまだ記録中であるが、クロロフィル蛍光計を用いた計測では流動が落ちると光合成の活性も低下傾向にあることが確認できた。海藻により好適な流動があることが確認できつつあり、予定の計画通りに研究を行うことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度に予定していた、流動を記録するための加速度ロガーの実験的な評価と、実際の海域での調査域の設置と実験を予定通り行うことができたため。

今後の研究の推進方策

本年度からの継続である、年間を通した現場海域での植生の違いによる流動の記録と流動が海藻に与える生理的な影響(光合成活性)に着いての実験を行っていく。現在は冬季から春季の間であるが、海藻の整理に影響が生じるのは水温が上昇する夏季のため、今後の実験はとても重要である。さらに現場での検証だけではなく、室内の培養下でも異なる流動環境によって海藻を飼育し、その成長や光合成活性に与える影響についても研究を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

所属機関を通した消耗品購入において、当初予定していた契約金額よりも実際に納品された際の金額に差異があり、当該金額が生じたため。

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公開日: 2019-12-27  

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