海水魚の滑走細菌症はTenacibaculum maritimumによる感染症である。本疾病は世界的に海産増養殖産業の重要な細菌感染症の一つである。しかし、日本では滑走細菌症のワクチンはなく、養殖魚の滑走細菌症治療に使用できる水産医薬品は魚種や魚体サイズが限られているため、養殖現場では滑走細菌症の対策に苦慮しており、ワクチン開発が強く望まれている。本研究は菌体表面に存在する分子は宿主免疫系に認識されやすいと考え、滑走のための接着因子およびファージレセプターに着目し、滑走細菌症のワクチン候補分子を探索した。
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