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2019 年度 実施状況報告書

順遺伝学的手法によるトラフグの初回成熟年齢決定機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K05815
研究機関東京大学

研究代表者

細谷 将  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60526466)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードトラフグ / クサフグ / 種間差 / 初回成熟年齢 / 順遺伝学 / QTL / 種間交雑 / QTL解析
研究実績の概要

魚類は近縁種間でも表現型に多様なバラエティーが認められる。このような種間差をもたらす遺伝子が同定できれば、養殖魚の品種改良に利用できると期待される。トラフグ属近縁種においても、例えば、トラフグとクサフグは人工的に交雑可能であるほど遺伝的に近縁であるにも関わらず、初回成熟年齢に差が認められる。本研究では、両種の初回成熟年齢に種間差をもたらす遺伝機構を順遺伝学的手法により明らかにすることを目指す。
本年度は両種のゲノム配列に注目し、種間で配列に差が大きい領域を全ゲノムワイドに探索した。まず、トラフグ(30個体)とクサフグ(20個体)について、それぞれ次世代シーケンサーによる配列解析に付した。得られた短鎖配列をトラフグの参照配列にマッピングし、多型情報を取得した。その結果を用いて集団遺伝学的解析を行った。集団間の分化の度合いを示すFst値を計算したところ、Fst値が高いサイトは数多く見つかったものの、種間共通多型が遍在したために、種間で明瞭な分化が認められるような領域は得られなかった。一方で、種間の進化距離を示すDxy値を算出したところ、明瞭なピークが認められる領域をゲノム上に複数見い出だした。この領域が表現型の種間差をもたらす可能性が高い。昨年度に行った排精月齢に関するQTL解析の結果と突き合せたところ、そのうちの2つがQTL領域内に存在することが明らかになった。このことから、この領域に存在する遺伝子(のどれか)が排精月齢に種間差をもたらした可能性が高いと言えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、トラフグ属近縁種の初回成熟年齢に見られる種間差を生み出す可能性の高い領域を見つけ出し、QTL領域を限局化できた。このことから、概ね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

ゼブラフィッシュを用いた遺伝子ノックアウトにより、限局化された領域にある遺伝子の機能(初回成熟年齢への影響)を確認する。

次年度使用額が生じた理由

一部の解析について、サンプルは取得できたものの、解析の準備完了が年度末にずれ込んだために解析が完了しなかったから。

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公開日: 2021-01-27  

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