本研究は養殖生産において重要な「種固有の初回成熟年齢を決定するメカニズム」を遺伝学的に解明することを目的とする。重要養殖対象種であるトラフグとその近縁種であるクサフグでは初回成熟年齢にそれぞれ雌雄で1年の差がある。この差に注目し、種間交雑集団を用いたQTL解析により、染色体上の原因領域を特定した。当該領域を限局化するため、両種の野生からゲノム塩基配列を取得して、QTL領域内で特に配列の種間差が大きい領域を探索した。各領域には30個程度の候補遺伝子を含んでおり、ヒトで初回成熟年齢に関与する遺伝子も存在した。今後、これらの遺伝子について機能解析を行い、原因遺伝子の同定を目指す。
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