持続可能な養殖には有限な魚粉を削減して植物原料を用いた飼料が不可欠だが、このような飼料を与えた魚(ブリ)では成長が低下する。そこで本研究では、魚粉由来の嗜好性の高い匂い刺激に着目し、匂い刺激が消化過程に及ぼす影響を調べた。ブリ幼魚は魚粉由来の抽出液や市販嗜好性物質の匂い刺激だけで活発な遊泳行動を起こし酸素消費量が増加した。さらに効果があった魚粉抽出液の匂い刺激によって胃の弛緩が観察され、それに伴う胃液の分泌量も増加傾向にあった。これらの消化過程の調節が神経によって行われていることを腹腔内に挿入した心拍ロガーで調べたところ、心拍数だけでは判断が困難で、より詳細な検討が必要なことがわかった。
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