メダカ稚魚の発育に伴う群れ形成行動の開始期の特定と、隔離飼育が群れ形成行動に及ぼす影響を調べた。群れ形成行動は、ふ化後2週齢から開始し、4~8週齢にかけて増大した。1~2週齢まで群れから隔離した稚魚では、群れ形成行動が減少した。神経ペプチドのAVTの全脳における発現量は、2週齢で増加を開始し、その後12週齢までに成魚と同レベルに増加した。隔離個体では脳の腹側視索前野領域におけるAVT発現量が減少する傾向にあった。AVT遺伝子欠損メダカは2週齢でも群れ形成行動をとらず、野生型と比べて行動開始期が遅延した。以上より、AVTは稚魚発生の早い時期における群れ形成行動の発現に重要であることが示された。
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