これからの養魚飼料では植物性原料などの魚粉以外の原料を積極的に利用しなければならないが、植物性原料では魚の消化機構がうまく働かずに十分に利用することができない。これは魚の腸管では植物性原料が「栄養素」として認識されづらいことに一因があると考えられるが、魚類の栄養素認知機構は不明な点が多い。本研究では、ほ乳類で栄養素受容体として知られるCaSRに着目し、CaSRが欠損したモデル魚(メダカ)を作出した。作出したCaSR欠損魚を解析することで、魚類においてCaSRが栄養素の認知と続く代謝に重要な役割を担うことを明らかにし、また魚類特有の機能も示唆された。
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