研究課題/領域番号 |
18K05849
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
杉村 泰彦 琉球大学, 農学部, 准教授 (80405662)
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研究分担者 |
森 久綱 三重大学, 人文学部, 教授 (80362333)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 食品ロス / リサイクル飼料 / フードバンク |
研究実績の概要 |
本来の最終年度である3年目に予定していた海外のフードバンク調査、飼料化事業調査については、新型コロナ禍の影響により、いずれも実態調査はもちろんのこと、調査対象との交渉自体が困難な状況となっており、実質的にはまったく進めることができなかった。 国内事例についても同様で、断続的に移動が制限されることで、実態調査の実施が困難であった。そのため、本年はデータの入手等によるリサーチによって、今後の調査再開に向けての準備が中心となった。 これらの事情で、研究期間の延長をせざるを得ない状況となり、本研究課題は2021年度まで延長されることとなった。 成果の発表については、2年目の欧州調査に基づき、日本流通学会九州部会において「フランスの青果物卸売流通における食品ロス・食品廃棄物対策」について報告した。この報告では、パリ・ランジス市場内における余剰食品回収の仕組みについて分析した。同市場ではフードバンクの関連団体が市場内で活動しており、独自の訓練を受けた者が余剰となった生鮮食品からフードバンクでの再利用に適した食品を選別・回収している。これらに市場外からの寄付や補助金、現金寄付による購入分を加えて一定の品揃えをしている。また、これらの食品の配布については、あらかじめ登録された生活困窮者へ安価に食料を販売する小売店を通じて行われる。 なお、これまでの研究から、大きな課題の一つである収集と分別に関わる労働力の問題を、この組織では就労支援事業と組み合わせている実態を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題は、本来3カ年の計画であったが、最終年は世界的な新型コロナ禍によって国内調査、海外調査ともに実行が困難となった。2年目の調査についての補足データ確保も困難であったため、事例調査に関わる部分はほとんど進めることができなかった。 これにより全体の研究計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
国内調査については2021年度中に再開できる見込みであることから、できるだけ早い段階で着手する。海外調査については、補足調査も含めて実施に見通しが立たないため、現地のコーディネーターと連携して資料収集を先行させるなど、2021年度後半の調査に向けた準備をすすめる。 なお、予定していた海外事例については組織のあり方も大きく変わっている可能性もあることから、代替となる事例についても併せて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
世界的な新型コロナ禍により、本研究の中心的な課題であるヨーロッパでの事例調査がまったく実行できず、国内についても断続的な移動制限によりほとんど実態調査を実施できなかった。そのため、研究費の多くの割合を占める旅費の執行ができず、研究期間を延長した次年度へと繰り越しせざるを得なかった。 物品費については若干予定を変更し、実行可能な机上での調査のために支出することとなった。 2021年度については、国内調査は移動制限緩和後、直ちに再開させる。海外調査については、2021年度後半の再開に向けて準備を進める。
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