本研究の遂行により、農村経済の多角化に資する経済活動の成果を、個人レベルの主観的QOLと、地域社会ないし国レベルの客観的QOLという二つの視点から検討し、定量的に評価することができた。 主観的QOLについては、対象を農産物直売施設に限定したが、出荷者の満足度の実測と、満足度を規定する要因を分析し、消費者交流、マネジメント、いずれの視点も満足度を高める方向に働くことを実証した。 客観的QOLについては、本研究で試行した簡易QOL指標を他地域でも適用すれば、生活基盤と農業農村固有の評価視点の双方を考慮したQOLスコアの地域間比較が可能になり、行政の評価指標としての活用も期待できる。
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