本研究は、ケーススタディ手法に基づいて被災地での生業と生活体系の再構築のプロセスを問題解決活動の視点から考察した。事例の考察により、(1)被災地の農家民宿が情報共有と問題解決に対する協力活動のプラットフォームになっており、そこでの対話が被災農家に生業と生活の再構築に関わる、新たなアイディアや問題解決のヒントをもたらすことが明らかになった。(2)被災者支援活動は、単なる一方向的な支援行為にとどまらず、支援者やその居地域のコミュニティに有意義な結果をもたらした。被災者は支援の対象から「ふるさとづくり」のキーパーソンに変化し、支援者らは自地域の新たな価値を発見することとなった。
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