研究課題/領域番号 |
18K05867
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
横溝 功 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (00174863)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ロータリーパーラー / 雇用型の酪農経営 / 外国人実習生 / トウモロコシの2期作 / 機械故障のリスク回避 / 畜産クラスター事業 |
研究実績の概要 |
岡山県笠岡市の竹信牧場にて、ロータリパーラー導入の動機や経済効果についてヒアリング調査を実施した。調査時点(令和2年1月29日)で、経産牛飼養頭数488頭、未経産牛311頭と、岡山県下でも有数の大規模な酪農経営になっている。平成30年に、ロータリーパーラー(40P)を導入している。家族労働力4人、常時雇用8人、外国人実習生7人で、雇用型の酪農経営を実現している。 飼料作では、干拓コントラを活用し、大型の収穫の装置を共同で運営している。畜産農家が自らオペレーターになるが、固定費の削減に寄与している。特徴は、トウモロコシ栽培の2期作を行っていることである。これによって、堆肥の有効活用と、自給飼料率の向上に寄与している。 以上のことから、40Pのロータリーパーラーの導入は、搾乳効率の向上、作業負担の軽減を通じて、ゆとりある経営につながっている。また、40Pの搾乳によって、1Pが故障しても、39Pで搾乳できるという柔軟性と、リスク回避を担保している。 畜産クラスター事業を考慮した場合、ハード面とソフト面の調和という視点が、改めて重要であることを再認識した。 以上のように、1事例の調査に終わったが、畜産・酪農部門において、農家戸数や飼養頭数の減少など生産基盤の弱体化に対応するために、地域の関係者が連携し、地域で畜産経営の収益性を向上させる取組に支援する仕組みが、「畜産クラスター事業」である。再度、その現状と役割を、整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
年度末に集中的な調査の実施を計画していたが、新型コロナウィルスの蔓延を考慮して、調査を行わなかった。また、年度途中は、大学の教育・管理運営、社会貢献の時間が増加したため、長期に調査を実施することができなかった。 なお、九州大学大学院の南石晃明教授の科研費に研究協力者として参加させて頂き、ドイツ・ニーダーザクセン州において、昨年の12月上旬に、搾乳ロボットを導入した酪農経営を調査させて頂いたが、当該の研究テーマを進める上でも、多くの知見と新たな軸を頂くことができた。今後の当該研究の推進に活かしていきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの影響で、新たに調査先を増やすことは難しい。そこで、今までの社会貢献で知り合いになった、多くの酪農・畜産経営や指導者との連携を強化する。具体的には、現地調査は難しいと思われるので、電話やインターネットを活用して、ヒアリング調査の実施を行う。また、今までに蓄積したデータを統計解析することによって、当該研究の課題に応えていきたいと考えている。 岡山大学では、退職まで残り1年となり、研究対象の水平的な広がりではなく、垂直的な深化を目指していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述のように、年度末に集中的な調査の実施を計画していたが、新型コロナウィルスの蔓延を考慮して、調査を行わなかった。また、年度途中は、大学の教育・管理運営、社会貢献の時間が増加したため、長期に調査を実施することができなかった。 新型コロナウィルスの影響で、新たに調査先を増やすことは難しい。そこで、今までの社会貢献で知り合いになった、多くの酪農・畜産経営や指導者との連携を強化する。具体的には、現地調査は難しいと思われるので、電話やインターネットを活用して、ヒアリング調査の実施を行う。また、今までに蓄積したデータを統計解析することによって、当該研究の課題に応えていきたいと考えている。 そのための電子機器やソフトを充実させる。
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