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2020 年度 実施状況報告書

メンタルヘルスフィールドとしての中山間地域農業の可能性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K05868
研究機関岡山大学

研究代表者

駄田井 久  岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60346450)

研究分担者 二階堂 裕子  ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (30382005)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード選択型実験 / エシカルな価値 / 自給自足的社会
研究実績の概要

1.農福連携によるエシカルな価値の計測
岡山県内福祉事業所が行っている農福連携事業を対象として,本事業により生産されている農産物(おから茶)に対する一般消費者の評価を計測した。評価には,農薬使用の有無,産地,価格,障がい者の関わりの有無の4属性を用いた選択型実験を適用した。また,農福連携による農産物のMWTP(限界支払い意思学)計測結果に基づき,“エシカル・バリュー(倫理的価値)”の創出可能性を検討した。
消費者は様々なエシカルな価値を評価していることが明らかになった。それらの評価に関して属性(性別・年齢)の差異は見れなかった。農福連携で生産される商品の「障がい者の社会的地位の向上や働く場所の提供」といったエシカルな価値が消費者に認識されている(おから茶,約60円/袋)。その価値の大きさは,持続的・環境によい地域への貢献(約100円)・地産地消(約85円)と比較すると低くなっていた。
2.中国・四川省紅原県で展開するヤクミルクサプライチェーンの現状と課題
2019年に中国四川省で行った調査を取りまた。既存研究がほとんど見られないヤク酪農産業の現状を把握し,今後の課題を整理することである.そのために,四川省西北部に位置する紅原県を対象として,1)中国政府が実施した退耕還林政策以降のヤク酪農家の現状把握,2)農業産業化によるヤク酪農の「生産―加工-販売」のサプライチェーンの現状整理,3)サプライチェーンの最終者である中国国内の消費者を対象としたヤクミルクの認知度及び購入意向の把握,を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度はコロナ禍の影響で,フィールド調査での実施が困難であった。2019年度までに収集したデータを用いた分析が主であり,新規データに基づく分析が行えなっかた。

今後の研究の推進方策

2021年度もフィールド調査が困難であることが予測される。オンラインでのインタビューや,webアンケート調査機関への委託などで新規のデータ収取を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で国内・国外ともにフィールド調査を実施することが不可能であった。
2021年度はwebでのアンケート調査とオンラインでのインタビュー調査用に機材をそろえる。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 質的研究と量的研究との融合の可能性―共通課題への異なる視点からのアプローチの可能性―2021

    • 著者名/発表者名
      駄田井久
    • 雑誌名

      農林業問題研究

      巻: 57(1) ページ: 23 26

    • DOI

      10.7310/arfe.57.23

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中国山東省沿岸部における私営農企業の新規参入-農地経営権取得と生産組織・技術普及体制の構築に関する一考察-2021

    • 著者名/発表者名
      王偉安,駄田井 久,東口 阿希子, 横溝 功
    • 雑誌名

      農業経営研究

      巻: 54(4) ページ: 57 62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 外国人技能実習生を活用した農業経営戦略―技能移転を通した内発的発展の可能性2021

    • 著者名/発表者名
      二階堂裕子
    • 雑誌名

      『社会学評論』

      巻: 71(4) ページ: 559 576

  • [雑誌論文] 中国四川省紅原県で展開するヤクミルクサプライチェーンの現状と課題2020

    • 著者名/発表者名
      駄田井 久, 阿比亜斯, 胡 思悦, 東口 阿希子, 横溝 功
    • 雑誌名

      農林業問題研究

      巻: 56(4) ページ: 151 157

    • DOI

      10.7310/arfe.56.151

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 外部人材と地元住民の協創による地域づくりの可能性―岡山県美作市『上山集楽』 の実践から―」『地域社会学会年報』第2020

    • 著者名/発表者名
      二階堂裕子
    • 雑誌名

      地域社会学会年報

      巻: 32 ページ: 32 46

  • [学会発表] ベトナム・ドンナイ省における有機胡椒栽培の現状と課題2020

    • 著者名/発表者名
      駄田井 久,安宅祐佳里,東口阿希子,二階堂裕子,Le Truong Ngoc Han,横溝 功
    • 学会等名
      農村計画学会
  • [学会発表] 台湾における日本産ぶどうの評価と輸出促進方策―台湾での消費者対象のアンケート調査をもとに―2020

    • 著者名/発表者名
      駄田井久,難波優之,東口阿希子,横溝 功
    • 学会等名
      日本農業経営学会
  • [学会発表] 農福連携農産物による“エシカル・バリュー(倫理的価値)”の創造可能性2020

    • 著者名/発表者名
      駄田井久
    • 学会等名
      日本社会学会
  • [学会発表] Evaluation of the Work ability of the Smart Agricultural Machine in the Mountain Area2020

    • 著者名/発表者名
      Hisashi DATAI, Akiko HIGASHIGUCHI
    • 学会等名
      Symposium of Application of Advanced Technologies
    • 国際学会
  • [学会発表] 環境保全型農業を軸としたむらづくりにおける『協働』と『共同』の間―愛媛県西予 市 K 地区の外国人技能実習生と日本人住民2020

    • 著者名/発表者名
      二階堂裕子
    • 学会等名
      日本文化人類学会第

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公開日: 2021-12-27  

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