研究課題/領域番号 |
18K05872
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
桂 明宏 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (90233767)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 農地管理 / 農地中間管理事業 / 農地集積 / 分散錯圃 / 人・農地プラン / 農地意識 |
研究実績の概要 |
本年度は、2019年の農地中間管理事業法の改正を踏まえ、京都府・滋賀県の農地中間管理機構でのヒアリング調査を行い、中間管理事業の現状と問題点、農地管理上の課題についてを整理し、論文にまとめた(「農地中間管理事業の制度見直しと今後の展望」『土地と農業』2021.3)。 法改正によって、現場レベルの人・農地プランと農地中間管理事業の緊密な連携が図られるとともに、中間管理事業の手続きの簡素化も行われて、同事業の進捗に対してプラスの要因となっているが、他方で関係機関間の連携や地元農村集落との関係では課題も多いことがわかった。一方で、メガ農場の形成と集落を越えた地縁組織の再編を通じて、中間事業の農地白紙委任機能を最大限に生かした農地管理が行われている地域もあるが、他方では中間事業を利用する地権者のなかにも受け手白紙委任に対する抵抗感も残っており、地権者の白紙委任性向には依然として地域差が大きいこともわかった。ただ、人・農地プランの見直しプロセスとそれに対応した中間事業による農地再分配機能を利用して、農地の分散の解消が逐次的に進んでいる状況もわかってきた。 ただし今年度は、コロナ禍のため、予定していた市町村および集落レベルでのヒアリングとアンケート調査の実施がまったくできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度は、個人的事情(親の介護)から出張等が機動的にできず、当該年度に予定していたアンケート調査などが実施できなかったため、そのアンケート調査等は2020年度に実施するよう計画変更をしていた。しかし、前述の事情に加えて、2020年度はコロナ禍のため現地いくことが一切できず、研究の中心であるアンケート調査も実施できなかった。 このため先般、2020年度を最終年度としていた事業期間の1年延長を申請し認められたところである。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に何とかアンケート調査を行いたいと考えているが、コロナが終息しない中でどこまでできるか予測できない部分が極めて大きい。 このため、農地意識に関するアンケート調査の対象を、当初計画の一般農家から、農業委員・最適化推進委員など、協力が得られやすい対象に変更することも考えている。農業委員会・最適化推進委員に対しては、当初農地管理手法に関するアンケートの実施を計画していたが、彼らを対象に在住集落の農家の意識変化についても聞くという方法に変更しようと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍および個人的事情(親の介護)によって、予定していた現地調査とアンケート調査が実施できなかったため。 コロナの終息が見通せないが、市役所・農業委員会レベルのヒアリング調査(アンケート調査の協力依頼を含む)と、農業委員会・最適化推進員へのアンケート調査を実施する予定である。
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