研究から明らかになったことは、次の通りである。①農家の代替わり・土地もち非農家化によって、家産的・むら的農地意識は著しく後退してきている。②その傾向は、土地もち非農家と若い世代で著しい。③家産的・むら的農地意識の後退は、農地所有者の農地への執着を薄れさせ、農地中間管理事業の白紙委任的農地管理が進めやすい状態になっている。④他面で、地域における農地管理体制が弱体化がすすんできており、農地集約のみならず集団転作などにも悪影響が出てきている。 結論として、家産的・むら的農地意識の後退は、一面では白紙委任化を容易にするが、他面では集約化を実現する地域力を低下させるなど、正負両面の効果をもっている。
|