研究課題/領域番号 |
18K05893
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
吉永 育生 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, ユニット長 (50414420)
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研究分担者 |
浜田 康治 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (00425521)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アオコ / 栄養塩類 / 供給速度 |
研究実績の概要 |
初年度に引き続き、対象フィールドである農業用調整池にて現地観測を実施した。設置したセンサーによる流入負荷量や藻類の種別濃度等の連続観測を実施するとともに、ボートによる水上調査を実施し、水域内の空間的な分布を確認した。初年度と同様に、滞留時間が長くなる9月以降に藍藻類が優占的に増殖し、アオコ状態となりやすいこと、風の影響によって表層のアオコは水域内に偏在すること等を確認した。 新たな調査箇所として、集水域内に主たる負荷の発生源が無いにもかかわらず、夏季の藻類の増殖が見られる、山間部に位置する調整池の現地観測を行った。航空写真による過去の土地利用と発生負荷源調査、台風通過時の連続採水、集水域内の現地踏査等を実施した。なお、この調整池はアオコの発生抑制が強く求められており、取得したデータをもとに簡易なモデル式によるアオコ発生時期の予測を行っただけでなく、希釈水の導入や滞留時間の削減等による対策手法の提案を実施した。 これらの現地観測で得られた知見やデータをもとに、アオコ発生予測式の改善に取り組み、藻類にかかる観測データについてはフィルタリングによる補正等を含む日代表値の決定、モデル式については様々な成長曲線の適合性の検討及び栄養塩の増殖過程への反映方法の検討等を実施し、アオコ予報システムのプロトタイプを作成した。なお、定点観測カメラの画像処理においては、水面の太陽光の反射等の理由により、安定的な画像取得に至っておらず、十分なデータを整理できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地観測については、新たな調査地を追加したこともあり、十分なデータを取得しているが、モデル化については改善に向けて試行錯誤を繰り返している段階で、結果として進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
定点観測による画像診断については、撮影方法の検討を行うほか、風向に応じて観測値を補正することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
定点観測カメラによる撮影については、事前に確認した段階で十分な画像の取得が難しいと判断したため、これにかかる支出を見送ったこと等により、次年度使用額が生じた。画像処理については、代替的なデータ取得等への支出を計画している。
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