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2018 年度 実施状況報告書

ベニバナ収穫ロボットの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K05897
研究機関山形大学

研究代表者

片平 光彦  山形大学, 農学部, 教授 (20390940)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードベニバナ / 人工知能 / ロボット / パラレルリンクアーム / 収穫 / 花弁
研究実績の概要

本研究は地域特産農産物であるベニバナの生産を活性化するため、栽培管理ロボットで利用するAIによるベニバナの検出と収穫用ロボットアームの開発を行った。
試作したAI(学習データ数:434枚、2495枚、深層学習フレームワーク:YOLOv3)によるベニバナ花弁の検出は、静止画の場合で花弁検出率が学習回数を増やすにつれて一次関数的に高くなり、10000回以上の学習で80%程度となった。動画での花弁検出率は学習回数を増やすにつれて一次関数的に増加し、10000回から50000回の学習で花弁の検出率が80%程度で安定した。動画では学習データ数との間に5%水準で有意差が生じた。ベニバナ花弁収穫に用いる走行台車はインホイールモータ付きの車輪と制御用コントローラで構成し、走行速度範囲が0.21m/sから0.47m/s、重心Gxが216.9mm、Gyが403.47mm、Gzが339.1mmであった。花弁を収穫するロボットアームはパラレルリンク機構とし、3つのサーボモーターで駆動する。また、Hand Frame(「手先」)には花弁摘み取り部を装着し、Base Frameには花弁を撮影するためのWebカメラを取り付けた。収穫用ロボットアームシステムはROS がインストールされたPCで駆動され、Pythonで制御プログラムを作成した。開発したロボットアームシステムは目標位置とWebカメラで算出した位置の最大誤差がx軸方向で約4mm、y軸方向で約9mm、z軸方向で約18mmであった。また、目標位置と実際の手先位置との最大誤差はx軸方向で約5mm、y軸方向で約10mm、z軸方向で約10mmであり、Webカメラ画像で算出された座標からパラレルリンクマニピュレータの手先位置を的確に制御できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ベニバナ収穫ロボットの開発では、人工知能を用いた花弁の検出、パラレルリンクアームの開発と制御アルゴリズムの開発、花弁回収部の開発、移動台車部の開発をそれぞれ行い、各要素技術を年度中に完成することができた。各要素技術は、それぞれ作業精度を調査しており、おおむねほ場での実証試験に供するレベルを確保できた。

今後の研究の推進方策

1.本年度開発した要素技術を移動台車に組み込み、開花前までに動作試験とアルゴリズのデバックを行う。
2.開発した収穫ロボットは、山形大学農学部農場で栽培しているベニバナほ場で収穫試験を行い、花弁の回収量、作業精度、作業能率について調査を行う。
3.花弁検出の人工知能の精度を向上するため、収穫時の画像データを収集して教師データを作成し、強化学習による検出率改善を行う。

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公開日: 2019-12-27  

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