研究課題/領域番号 |
18K05924
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
三瓶 由紀 京都産業大学, 生命科学部, 准教授 (00469743)
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研究分担者 |
原 祐二 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30422455)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域資源循環 / 居住環境 / 環境教育 / 里山資源 / 生ごみ / 堆肥 |
研究実績の概要 |
今年度も引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大により、給食残滓を使用した堆肥化は安全性の観点から中止となり、大幅に研究計画を見直すこととなった。 まず、関西地域を体操に、コロナ禍においても食品廃棄物の堆肥化を実施している事例について情報収集をおこなった。 さらに、本調査対象地である堺市について、昨年に引き続き、農地以外の土地利用を抽出し、それらの土地における堆肥受け入れポテンシャルの推定をした。また、既往文献の調査から、どのような形態で、どの程度の受け入れ可能性がありえるか、堆肥受け入れ地としての活用可能性を検討した。 また、堺市に置いて、自宅で堆肥化に取り組んだ住民を対象としたアンケート調査データを分析することで、居住環境と環境行動の関係性について解析を進め、将来的な波及効果が期待できる地域の抽出のためのデータ整備・解析も実施した。 同時に、昨年に引き続き、保育施設や教育施設における食品廃棄物に関する施策・活動事例についての海外動向を把握した。給食で廃棄されるFood waste排出量調査やリサイクルの取組とその効果について、事例収集・整理を行った。また、日本の保育施設の給食に関する規制等、制度面での変化について、保育施設の自己裁量の変化やFood wasteに関連しうる環境活動の実施状況について文献調査を行い、保育施設における給食の特性、ならびに、環境面への配慮の実施実態や食育から食農が導入されていく過程についても明らかにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナの感染拡大の影響により、保育園における生ごみを再利用した堆肥化は安全面の観点から、実施されていない状況である。また高齢者である農地等所有者の受け入れ意思の聞き取り調査も実施できない結果となった。 そのため今年度は大きく研究計画を変更し、昨年に引き続き海外での実施動向のレビューを行ったほか、コロナ禍における堆肥化活動の継続状況について、関西地域を中心に調査を行った。また堆肥受け入れポテンシャルの把握に向け、公共用地や空地を対象としたGIS空間解析と、過去のアンケート調査結果をもとに、居住環境と環境行動の関係性についての解析に向けた分析を実施した。ただし、研究の中核をなす、給食残滓と里山資源の堆肥化調査は実施できておらず、大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、ポストコロナを見据え、保育園での堆肥化活動がどのような方向性を持ちうるかに焦点をあてつつ、これまでの成果を取りまとめていく予定である。同時に、幼児がいる世代の居住環境や生ごみ堆肥にする意欲や環境意識についての分析をすすめることを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で、感染防止対策として、予定していた保育園との活動(堆肥化、里山活動)が、全て中止となったため、研究遂行が困難な状況であり研究計画の一部を当初より大幅に変更せざるを得ない状況になっている。今年度は、ポストコロナを見据え、保育園での堆肥化活動がどのような方向性を持ちうるかに焦点を当てて、これまでの成果を取りまとめていく予定である。
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