研究課題/領域番号 |
18K05935
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小針 大助 茨城大学, 農学部, 准教授 (50396595)
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研究分担者 |
岡山 毅 茨城大学, 農学部, 教授 (90575226)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 分娩 / 牛 / 赤外線深度センサーカメラ / 行動 / 靭帯 / 形態 |
研究実績の概要 |
分娩至近時の仙骨靭帯の張態変化と寛骨および坐骨幅の変化を捉える目的で、牛の後躯形態データ取得法の確立を目指し、機器と撮影条件の調整を行い、さらに、それらの試行から実際のデータ取得精度とサンプリングを行った。 使用機器としては、検知精度の観点から、MicrosoftのKinect V2を使用した。ただ、前年までの設定だと記録画角に難点があったため、撮影範囲は限られるものの、記録精度向上のため、深度センサーカメラの設置位置を前年までの地上部から4m地点の位置から、3m地点に変更して記録した。記録間隔は1分毎とし、3次元点群情報を取得した。取得した3次元点群から、ウシ個体を抽出し、ノイズ除去を行った後、形態変化について評価した。 用いた深度センサの画角では、分娩房全体をカバーできなかかったため、評価に用いることが可能なデータの取得に制限があった。また、姿勢の違い、特に座位と立位では体が大きく変形するために、比較が困難であった。しかし、比較が容易な立位のデータを抽出し、時間的形態変化を評価すると、分娩が近づくにつれての靭帯の形状変化が確認できた。このことから、撮影方法に工夫が必要であるものの、深度センサー画像を用いた形態変化から、分娩予測が可能であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、目的とする3次元データの取得がキモであり、その手法の確立に時間がかかったが、記録方法については、ほぼ確立しつつある。 今後行動データと合わせるための形態変化データの取得数を増やす必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、3次元形態変化のデータの取得を中心に研究を実施してきたため、照らし合わせるために必要な行動データについては数がまだ少ない。次年度の分娩予定については、ほぼ決まっており、取得できるデータ数に限りはあるものの、できる限りデータ数を稼ぎ、目標である行動と形態の関連性について見ていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス流行に伴い、年末から年度末にかけての出張等がキャンセルになったため。2020年度においてあらためて日本畜産学会・動物の行動と管理学会における発表のため使用する。
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