牛肉生産では、ロース部位における筋肉内脂肪組織の蓄積が重要視されており、特に黒毛和種肥育牛は、筋肉内脂肪の蓄積能力が高いことが特徴である。本研究において、内臓脂肪における免疫細胞を介した組織炎症と組織老化が、黒毛和種肥育牛における筋肉内脂肪蓄積を制御する要因あること、さらにウシ品種差における筋肉内脂肪蓄積能力にも、これら内臓脂肪の炎症及び老化状態が影響していることが明らかとなった。本研究において得られた成果は、黒毛和種肥育牛における脂肪交雑向上のための飼養管理技術改善に繋がる新たな知見であり、さらにヒト肥満における異所性脂肪蓄積増加の要因解明にも寄与することが期待される。
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