本研究結果により、IL-19は脂質代謝系を抑制して脂肪肝から線維化形成を抑制する役割を担うことを明らかとしたところに学術的意義がある。NASHの病態生理は複雑であり、肝臓内の多くの細胞種が複数のレベルで関与する。今後、基礎研究成果の有効活用のためにも、また治療への応用展開を視野に入れるためにも、病態発症モデルを用いて各種薬物や阻害薬などの効果検証は重要である。その際、探索研究において、ヒトの病態に類似した疾患モデル動物の活用は有用性が高い。IL-19KOに特注飼料を与えることでNASHへと進展する本研究課題の成果は、探索研究に活用できる可能性が大きいところに学術的意義がある。
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