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2020 年度 実績報告書

筋線維芽細胞のSET発現上昇が「癌ニッチ」に果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K05994
研究機関山口大学

研究代表者

佐藤 晃一  山口大学, 共同獣医学部, 教授 (90205914)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードがん / SET / 筋線維芽細胞 / CAFs / がんニッチ / 微小環境
研究実績の概要

筋線維芽細胞はがん細胞により教育され,がんニッチにおいて重要な役割を果たすことから創薬標的として注目されている。そのため,正常組織の筋線維芽細胞とがん組織の筋線維芽細胞(CAF)の違いを明らかにすることが,新規抗がん戦略の創出に不可欠である。本研究は,筋線維芽細胞のSET発現上昇が癌ニッチに果たす役割を解明することで,筋線維芽細胞を標的とした抗がん戦略への基盤となることを目的として実施した。
【補助事業期間中の研究計画と成果】: CAFs様筋線維芽細胞株であるLmcMFを用い,SETが筋線維芽細胞の表現型やがん組織の成長に与える影響を解明するため,以下の事項について検討した。2020年度は,2019年度に発表した論文[PLoS One. 2019 Sep 26;14(9)]の内容をさらに進展させることを目指して研究を行った。昨年度までの結果より,SET発現を抑制することでTGF-β刺激によるOPG産生が抑制されたことから,SETの発現はTGF-βを介する情報伝達系に作用する可能性が示唆された。そこで,TGF-β刺激による情報伝達系を明らかにするため,SET発現がどのようなシグナル伝達に影響を与えることでその変化がもたらされるかを明らかにすることを目的に研究を行った。
なお,標的分子としてTRAIL (TNF Related Apoptosis-Inducing Ligand)が重要な因子であるデータを得ていたことから,その検討を深掘りした。その結果、TGF-β刺激によって誘導されるSmad3のリン酸化はSET KDによって有意に促進されること、誘導されるOPG mRNAの発現はSmad3阻害によって有意に抑制されること、さらにTGF-β刺激によって誘導されるSmadのプロモーター活性はSET KDによって有意に促進されることを明らかとした。

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公開日: 2021-12-27  

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