生鮮ヒラメの喫食に伴うクドア食中毒集団発症の原因として2012年にKudoa septempunctataが特定されて以降、他種生鮮海産魚の喫食と類クドア食中毒集団発生との因果関係の解明や、養殖段階やその市販段階での経済的損失の原因となる多殻目粘液胞子虫に関する基盤研究の必要性が広く認識されるようになった。この社会的要請に応えるべく、日本近海あるいは養殖用稚魚の輸入元となる中国近海に分布する多殻目粘液胞子虫について疫学的研究に取り組んだ。各種市販海産魚での寄生状況とともに、Kudoa属/Unicapsula属の種同定の基盤となるrDNA塩基配列情報を収集し、リスク評価に備える情報を整理した。
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