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2021 年度 実績報告書

ブロイラーを汚染するサルモネラにおける抗菌剤耐性因子の伝播拡散メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K05997
研究機関鹿児島大学

研究代表者

中馬 猛久  鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (90201631)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードサルモネラ / 抗菌剤耐性 / ブロイラー
研究実績の概要

本研究課題では鹿児島県内ブロイラーの盲腸内容物からサルモネラを分離同定し、血清型および薬剤感受性を調べ、その伝播様式を解明することにより薬剤耐性菌防除に役立てることを目的とした。本年度は、2019年、2020年に鹿児島県内のブロイラーの盲腸内容物から分離同定された全てのサルモネラ菌株を対象に、血清型および抗菌剤感受性を調べた。調査鶏群は96鶏群、盲腸検体は各鶏群約16羽から得られた1536検体であった。個体からの分離率としては、2019、2020年では13.4%、21.7%と2018年に比較して減少傾向を示した。しかし、鶏群からの分離率としては、2019、2020年で72.9%、89.6%と増加していた。また、血清別の個体からの分離率に関しては、2年を通してS.Manhattan(S.M)が最も多く検出され、次いでS.Schwarzengrund(S.S)、S.Infantisという結果となった。薬剤感受性試験の結果、2019年にはS.Mでのみβラクタム系抗菌剤(ABPC、CTX、CTF)耐性株が認められ、耐性率はそれぞれ、24.1%、22.4%、24.1%となり、2020年にはABPC耐性率は0%、CTX耐性率は4.8%となった。また、S.Sに関しては、KM耐性率が2015年以降増加傾向にあり、2020年には85.5%という高値となった。個体からのサルモネラの分離率は減少したが鶏群からの分離率は上昇しており、2020年には89.6%と依然として高い数値であった事を考慮すると、実際の汚染状況の変化は少ないと思われる。この2年間でS. Sの分離率が上昇するとともにKM耐性が増加していることから、本抗菌剤耐性が血清型と強く関連していることが示唆された。農場レベルにおけるサルモネラの抗菌剤感受性が近年大きく変化している傾向が認められ、今後も監視を続けその動向を把握する必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Decreasing trend of β-lactam resistance in Salmonella isolates from broiler chickens due to the cessation of ceftiofur in ovo administration2022

    • 著者名/発表者名
      Duc V M, Kakiuchi R, Muneyasu H, Toyofuku H, Obi T, Chuma T
    • 雑誌名

      Veterinary and Animal Science

      巻: 16 ページ: 100248 1-5

    • DOI

      10.1016/j.vas.2022.100248

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 2019、2020年に鹿児島県のブロイラーから分離されたサルモネラの抗菌剤耐性2021

    • 著者名/発表者名
      守富健人、Phan Thi Thuy Linh、津留優、宗安祥佳、Vu Minh Duc、山元三保子、中馬猛久
    • 学会等名
      令和3年度獣医学術九州地区学会

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公開日: 2022-12-28  

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