第XII因子(FXII)は血液凝固因子の1つであるが、その欠乏症では観血的処置などでも異常出血を呈さない。近年、医学領域ではFXIIが血栓形成や炎症を調整していることが明らかとなり、FXIIを阻害することで出血傾向を呈さない新規抗凝固薬のターゲットとして注目されている。先天性FXII欠乏症は猫では比較的よく遭遇する疾患である。また、止血スクリーニング検査ではFXII欠乏症は血友病と同じ結果を呈することからその鑑別には遺伝子検査が有用であると考える。そのため、本研究で得られた猫のFXII欠乏症の病態解析としての遺伝子解析結果および迅速かつ簡便な遺伝子診断法の確立は、臨床獣医学の発展に寄与する。
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