研究課題/領域番号 |
18K06014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
亀井 宏泰 金沢大学, 生命理工学系, 助教 (00610362)
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研究分担者 |
伊藤 昭博 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (40391859)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 追いつき成長 / ゼブラフィッシュ / インスリン様成長因子 |
研究成果の概要 |
『追いつき成長』は何らかの原因で一時的に成長遅滞に陥った個体が『遅滞要因の除去により成長を急加速させる現象』であり、様々な動物の胚や成長期の個体で観察される。 本研究では、ゼブラフィッシュ胚を酸素の欠乏・再供給に供することで追いつき成長を誘導する独自の実験系を用いて「遅滞後の成長再開時には細胞のエネルギー感知の中核を担う脱アセチル化酵素サーチュイン(Sirt)が体成長を支えるインスリン・インスリン様成長因子シグナル(IIS)の下流に位置するMAPキナーゼの働きを修飾し、その働きを増強することが加速成長の誘導に必要になる」という新しい体成長の仕組みを示すことができた。
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自由記述の分野 |
動物生命科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では初期成長を調べる上で好適なモデル動物であるゼブラフィッシュを用いて追いつき成長におけるIISとSirtの関係を示すことができた。畜水産動物では、胎生期あるいは胚・仔魚期に成長遅滞に陥り遅滞要因除去後にも追いつき成長が見られない場合には、その後の生残率の低下・出生後の歩留まりを招き生産効率の低下につながる。また、ヒトでは追いつき成長経験者で肥満・二型糖尿病・心血管疾患などの発症リスクが増加することも指摘されている。今回得られた成果は内分泌シグナル制御による効率的な動物生産や健全な胎児・新生児の成長誘導の基盤的知見の一つとなることが期待される。
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