研究課題
カニクイザルを用いた着床前から着床後胚発生におけるXCI開始機構の解析において解析数が十分でない発生ステージ(受精後13および15日目)の胚を解析した。その結果、栄養幕細胞は受精後11日目より、将来、胚体を形成する胚盤葉上層細胞は13ー15日目より、将来、一次卵黄嚢を形成する胚盤葉下層細胞は15-17日目より不活性化が開始する事を明らかにした。また、カニクイザルの始源生殖細胞は受精後11日目の羊膜より規定が開始されることが近年、明らかにされた。このため、始源生殖細胞規定過程におけるX染色体再活性化の解析も行った。その結果、受精後17日目より一部のX連鎖遺伝子で再活性化が開始していることを見出した。しかし、全ての細胞で不活性化が完了する前に再活性化が起きているX連鎖遺伝子も有る事が判明した。これらの結果からカニクイザル始源生殖細胞規定過程におけるX染色体再活性化は不活性化が完了する前に開始進行していくと考えれる。
4: 遅れている
申請者の依頼したXIST遺伝子の改変カニクイザル胚は既に計画されていた遺伝子改変カニクイザル作成業務が混み合っているため、作成が開始されていない状況である。
本年度はXIST遺伝子が発現出来ない着床前胚を作製し、胚盤胞期において不活性状態を解析する予定である。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件)
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