マウスの精巣では、インクレチン受容体およびインクレチンの発現が認められた。TM4(セルトリ細胞株)とMA-10(ライディッヒ細胞株)では、インクレチン刺激によってサイトカイン関連遺伝子およびステロイド合成関連遺伝子の一過性の発現増強が見られた。TM4とMA-10では、インクレチン刺激後、cAMPを介したシグナル伝達経路の活性化が認められた。C57BL/6JマウスにGLP-1受容体作動薬(エキセナチド)を投与すると、TM4でみられた遺伝子発現増強が同様に観察された。以上の結果から、インクレチンは精子形成関連遺伝子の発現調節を担っていることが示唆された。
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