研究課題
EMT(上皮間葉転換;上皮細胞が上皮性を失い、遊走や浸潤しやすい間葉系細胞の性質を獲得すること)におけるlncRNA(タンパク質をコードしない200bp以上の長鎖非コードRNA)の役割を明らかにすることを目的に、研究を推進している。これまでに申請者らは、TGF-betaによってEMTが誘導されるEMTモデル細胞において、ヒト14番染色体長腕の32領域に存在するMEG3やMEG8といったlncRNAが、EMTに関わることを見い出した。これらのlncRNAは、EMTに重要なマイクロRNAや、上皮マーカーなどの遺伝子発現調節に関わっていること、さらに、遺伝子発現を抑制する働きがあるポリコーム抑制複合体2(PRC2)を、それら標的の遺伝子座へリクルートすることに寄与することを明らかにした。これまでの研究成果を踏まえて、EMTのエピジェネティック調節を制御する機能性分子としての役割を果たすlncRNAを、MEG3やMEG8に加えて、さらに探索している。具体的には、TGF-betaによってモデル細胞のEMTを誘導した際のlncRNAの発現変化をRNA-seq解析により網羅的に調べた。さらに、現在PRC2と相互作用するlncRNAをCLIP-seq解析により網羅的に調べている。これらの解析により絞り込まれた候補の中から、PRC2と協調してEMTを制御するlncRNAを同定し、その分子メカニズムを明らかにする。
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http://ganken.cri.kanazawa-u.ac.jp/Genomics/index.html