研究実績の概要 |
Znic finger protein 518 (ZNF518AおよびZNF518B)とHeterochromatin protein 1 (HP1α, HP1β, HP1γ)およびCENP-Bとの相互作用の検証を試みた。上記タンパク質の全ての組み合わせについて、相互作用の有無をin vivoにおいて確認することで、ZNF518はHP1とCENP-Bのどちらにも相互作用することを見出した。さらに、様々なZNF518変異体を作成し、この測定系を用いることで、ZNF518内部のHP1結合ドメイン、CENP-B結合ドメイン等を特定した。 また、大腸菌を用いてZNF518B, HP1α, HP1β, HP1γを大量産生し、それぞれを精製することにも成功した。ただし、ZNF518Bに関しては、不溶性の性質を有していたことから、上記で見出した2つの結合ドメインを含むタンパク質一部として産生することで可溶化し、精製した。これらの精製したタンパク質を用いることで、それぞれのタンパク質間の相互作用をin vitroにおいて確認する実験系を構築することができた。 また、それぞれのドメインがZNF518のペリセントロメアへの局在へどの程度関与しているのか、上記で作成した変異体を利用して確認することができた。その結果、ZNF518においては、CENP-Bへの結合とHP1への結合、2つの活性により特異的なペリセントロメア局在を維持していることを見出した。 今後は、de novo にZNF518が結合できるモデル領域をゲノムに挿入した細胞の作成を完成させ、より詳細なペリセントロメアヘテロクロマチンにおけるZNF518の機能を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivoにおいて、ZNF518AあるいはBとHP1α, HP1β, HP1γそして、CENP-Bとの相互作用を確認することができた。 in vitroにおいて、ZNF518B欠失変異体とHP1α, HP1β, HP1γの精製に成功し、これらの相互作用を確認する実験系を構築することができた。
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