植物が環境ストレスを記憶する事例は、植物の形態や成長速度などの表現型レベルでは古くから知られていた。しかし、遺伝子機能などの分子レベルでの研究は世界的に見ても未だ創生期にある。数少ない研究例としては、冬(低温)や高温ストレスを記憶する際の遺伝子レベルでの機能解析が挙げられる。しかしながら、本研究で着目する免疫記憶消去メカニズムの報告例はない。 本研究で解析したUTF1が機能しなければ、病原体非感染時にも常にコストを払う必要が生じるため、植物個体は矮化し、作物においては収量が低下すると考えられる。よって、UTF1の機能解析は安定した農作物の生産にも貢献すると考えられる。
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