従来のカテゴリーに当てはまらない全く新しいスフィンゴ脂質、セラミドグリオキシルエタノールアミン(CGE)を発見し、その合成経路や機能の解明を目指した研究を行った。その結果、エタノールアミンが未知の中間体を経由してCGE合成に使われること、セラミドの構造はCGE合成酵素の活性に影響を及ぼさないことを明らかにした。また、偶然にもCGE合成不全株を取得し、そのゲノム解析によりCGE合成に関与する可能性のある機能未知遺伝子を見出した。今後、CGE合成不全株を活用することで、複合脂質の構造を形作る新しい反応機構や、そこに関与する新規遺伝子の発見につながることが期待される。
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