オートファジーが機能するために必須の因子の中で唯一の複数回貫通膜タンパク質Atg9はこれまでその機能は不明であった。 本研究期間中に精製したAtg9が試験管内で脂質スクランブル活性があることを示した。次に、クライオ顕微鏡を用いて単粒子解析を行い構造を決定した(分解能3.0Å)。構造を基に変異体を作製し、脂質スクランブル活性が低下する変異体を見出した。これらの変異体は酵母で隔離膜形成ができずオートファジーが正常に機能しないことがわかった。このことからAtg9の脂質スクランブル活性がオートファジーの正常な進行に必要であることが明らかとなった。
|