研究課題
基盤研究(C)
細菌の転写調節因子の1つであるLysRタイプ転写因子は、病原性関連因子産生や芳香属化合物分解に関する重要な遺伝子群の発現制御を担っている。我々は芳香族化合物分解菌の転写調節因子であるCbnRを対象として研究を行い、全長CbnR-プロモーターとDNAとの複合体の結晶構造を3.6オングストローム分解能で決定した。この成果は、LysRタイプ転写因子の中でプロモーターDNAとの結合様式を構造学的に示した世界で初めての例である。
構造生物学
LysRタイプ転写因子(LTTR)に関する研究は世界中で行われているが、LTTR-DNA複合体の再構成や結晶化が極めて難しいため、LTTRとプロモーターDNAとの構造情報に基づき結合様式を示した例はなかった。LTTRはアミノ酸生合成・芳香族化合物分解・病原性関連因子産生・酸化ストレスへの応答など多くの転写調節に関与しているため、構造情報を示すことができればLTTRがプロモーターDNAを認識する仕組みについてのジェネラルな知見を得ることができる。