研究課題/領域番号 |
18K06099
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
川崎 政人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (00342600)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 繊毛内輸送 / 多サブユニット複合体 / 結晶構造解析 |
研究実績の概要 |
繊毛内輸送を司るIFT(intraflagellar transport)装置は、6サブユニットのIFT-A複合体(760 kDa)と16サブユニットのIFT-B複合体(1,000 kDa)、8サブユニットのBBSome(490 kDa)から構成される。IFT-B複合体はキネシン2と結合することで繊毛内の軸糸微小管に沿った順行輸送を担う。IFT-B複合体は10サブユニットのコア複合体と6サブユニットのペリフェラル複合体から成り立っている。IFT-Bコア複合体は530kDaのタンパク質複合体であるが、それぞれ5サブユニットから成るコア1とコア2に大きく分割される。IFT-B複合体コア1はIFT22、IFT25、IFT27、IFT74、IFT81の5サブユニットから構成される。SUMOタグを利用した多サブユニット共発現系を用いてIFT74-81複合体、IFT22-74-81複合体について発現量の高いコンストラクトを得ることに成功し、大腸菌で共発現、精製し結晶化スクリーニングを行った。しかし、精製した複合体は数日間で分解が進行し、結晶が得られることはなかった。一方、IFT46、IFT52、IFT56、IFT70、IFT88の5サブユニットから構成されるIFT-Bコア複合体2について最適な発現領域を探索したが、良好なコンストラクトは得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
精製した複合体の分解が起こって結晶は得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
本機構に導入されたクライオ電子顕微鏡を用いて、複合体を精製直後に凍結し測定することで、分解による影響を取り除く。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度購入しなかった物品があるため繰越金が生じたが、翌年度は必要になるため翌年度分として請求した助成金と合わせて購入する。
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