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2019 年度 実施状況報告書

小胞型神経伝達物質トランスポーターの脂質制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K06114
研究機関岡山大学

研究代表者

樹下 成信  岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助教 (60646917)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード小胞型神経伝達物質トランスポーター / 脂質制御 / 構造変化
研究実績の概要

小胞型神経伝達物質トランスポーターを含む膜タンパク質は脂質二重層に埋れている。その機能が脂質により制御されていることは近年注目を集めている。しかし、いまだに不明な点が多い。構造的な解析は結合部位や制御機構を知る上で重要である。
昨年度、申請者は小胞型神経伝達物質トランスポーターの大腸菌ホモログの基質非結合、結合状態の結晶構造を明らかにすることに成功し論文化した。このプロジェクトは申請者がカリフォルニア大学サンフランシスコ校のRobert Edwards教授とRobert Stroud教授とともに共同研究したプロジェクトである。このトランスポーターは細胞膜に存在し、プロトンと糖の交換輸送体である。論文では、基質輸送活性測定と、基質非結合、結合状態の構造変化を明らかにすることができた。
3.8オングストロームの基質結合、非結合状態での構造を解くことができ、基質輸送活性測定の結果から、トランスポーターの基質や駆動力は大腸菌ホモログトランスポーターと哺乳類の小胞型神経伝達物質トランスポーターとで大きく異なるにも関わらず、駆動力である基質やプロトンの結合部位については、以前に我々が哺乳類小胞型神経伝達物質トランスポーターの変異体解析で明らかにした基質結合部位と非常に近接していた。このことは、かなりの点でこの大腸菌ホモログタンパク質は哺乳類の小胞型神経伝達物質トランスポーターと類似したところがあることが推察される。
輸送に必須なアミノ酸残基等、類似性が見られることから、このホモログタンパク質と現在本申請で使用している小胞型神経伝達物質トランスポーターとのホモロジーモデリングを作成し、構造類似性から脂質結合部位や、脂質結合に伴う構造変化に重要なアミノ酸残基の特定を行なっている。さらにこれまで進めてきた小胞型神経伝達物質トランスポーターとの機能構造変化と照らし合わせて研究を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

ホモログタンパク質であるが、構造が明らかとなったことで、今後の研究展開が飛躍的に進展すると考えているため。

今後の研究の推進方策

次年度は哺乳類小胞型神経伝達物質トランスポーターの脂質制御機構についてこれまでの知見を整理し論文化を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Structures suggest a mechanism for energy coupling by a family of organic anion transporters2019

    • 著者名/発表者名
      Leano Jonathan B.、Batarni Samir、Eriksen Jacob、Juge Narinobu、Pak John E.、Kimura-Someya Tomomi、Robles-Colmenares Yaneth、Moriyama Yoshinori、Stroud Robert M.、Edwards Robert H.
    • 雑誌名

      PLOS Biology

      巻: 17 ページ: e3000260

    • DOI

      10.1371/journal.pbio.3000260

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2021-01-27  

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