Claspinは保存された複製チェックポイントメディエーターであり、通常の複製フォークの進行に重要な役割を果たす。Claspinは、DNA複製因子Mcm2-7、PCNA、とDNAポリメラーゼなどと直接相互作用する。ClaspinにはCdc7と特異的に相互作用する酸性パッチドメインが存在し、分子内相互作用に関与している可能性を報告した。しかし、この分子内相互作用がS期中または複製ストレスに応答してどのように調節されるかは不明である。 分子内相互作用の役割を評価するために、ClaspinのフォークDNA結合活性を調べた。野生型ClaspinはフォークDNAにほとんど結合しないことは、我々以前の報告と一致している。 293T細胞から精製されたClaspinタンパク質は、293T細胞に存在するキナーゼによってすでにリン酸化されていたため、Claspinタンパク質をlambda-PPaseで脱リン酸化処理した後精製した。Lambda-PPaseで処理したClaspinはDNAに強く結合した。一方、リン酸化されたClaspinはDNA結合活性が強く阻害された。さらに、ClaspinのDNA結合阻害は、Cdc7キナーゼのリン酸化とは関連していなかった。ネイティブゲルでは、Claspinの脱リン酸化されたN末端のみがClaspinのC末端と複合体を形成している。さらに、免疫沈降プルダウンアッセイにより、脱リン酸化条件下でのN末端ClaspinがC末端との相互作用に必要であることが確認された。対照的に、C末端は過剰リン酸化条件下ではほとんどプルダウンされなかった。したがって、上記の結果は、特にClaspinのN末端のリン酸化がN末端とC末端のClaspin相互作用を阻害することを示し、リン酸化がClaspinの分子内相互作用とDNA結合を調節している可能性が示唆された。
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