研究課題/領域番号 |
18K06125
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
斎藤 将樹 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50400271)
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研究分担者 |
助川 淳 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (30187687)
佐藤 岳哉 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (10312696)
森 優 東北大学, 大学病院, 助教 (70634541)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 骨形成 / 骨芽細胞 / 4.1Gタンパク質 / 副甲状腺ホルモン / エストロゲン受容体 |
研究実績の概要 |
骨形成不全症は国の指定難病であり、効果的な治療法が確立されていない。胎児期における骨形成機構を見出すことは、治療法開発にむけた新しいアプローチに繋がる。昨年度に引き続き、骨形成における細胞膜裏打ちタンパク質4.1Gの関与について解析した。 これまで、マウス骨芽前駆細胞株 (MC3T3-E1細胞) を用いた解析により、4.1Gは一次繊毛形成と一次繊毛依存的な骨分化を促進することを見出した。また、4.1Gノックアウト (KO) マウスを用いた解析により、4週齢では雌性限定的に4.1Gが骨形成を促進するものの、10週齢では骨形成に関与しないことを見出した。 今年度はまず、新生仔期の骨形成における4.1Gの役割を4.1G-KOマウスを用いて解析した。その結果、雌雄ともに4.1Gが骨芽前駆細胞の一次繊毛形成を促進し、さらに骨形成を制御することが見出された。前年度の結果とあわせると、胎仔期~新生仔期には雌雄ともに、新生仔期~思春期 (4週齢) にかけては雌性限定的に、それぞれ4.1Gが骨形成を促進することが考えられた。さらに、その分子制御機構を解析するためエストロゲンの関与に注目した。MC3T3-E1細胞において膜型受容体 (GRER/GPR30) および核内受容体 (ER-alpha) をノックダウンしたところ、GPER/GPR30が一次繊毛形成と骨芽細胞分化に関わることを見出した。4.1Gは膜裏打ちタンパク質であることから、細胞膜におけるGPER/GPR30の機能を亢進し、GPER/GPR30依存的な一次繊毛形成、および一次繊毛依存的な骨形成を促進することが考えられた。
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