本研究では脂肪細胞のベージュ化の観点からsPLA2群による代謝調節の新しいメカニズムの解明を試みた。我々は、(1)sPLA2-IIDはおそらく細胞外微粒子などのリン脂質選択的にω3脂肪酸を遊離することで脂肪組織の慢性炎症を抑制するとともに、脂肪細胞のベージュ化を促進して熱産生を増大させ肥満を防ぐこと、(2)sPLA2-IIEはおそらく細胞外微粒子などのリン脂質から遊離脂肪酸を産生することで脂肪細胞のベージュ化を促進して熱産生を増大させること、(3)sPLA2受容体の欠損は脂肪細胞のベージュ化を促進して熱産生を増大させることを明らかにした。
|