ゴルジ体が存在しなければ、生命活動維持に必須である分泌などの細胞内輸送や翻訳後修飾は正常に行われないが、ゴルジ体が存在するための複雑な仕組みの多くは未だ解明されていない。ゴルジ体の維持と分泌能の調節にゴルジンタンパク質が機能することを明らかにしてきたが、その過程で独自のスクリーニングにより、分泌を阻害する化合物を見出した。この化合物は、既知の分泌阻害剤などと同様にゴルジ体を破壊し分泌を阻害したが、既知の分泌阻害剤の標的が異なること、ゴルジ体のみならず小胞体出口部位の移動に影響を与えることを示した。このことは、ゴルジ体を維持し分泌を行うためには小胞体出口部位の移動が重要であることを示唆する。
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