マウスES細胞は多能性幹細胞であり、分化の引き金が引かれると、エピブラスト、あるいは、原始内胚葉ヘと分化する。一方、シグナル受容体は、細胞膜上で不均一な分布、すなわち脂質ラフトに選択的に局在し、その局在がシグナル伝達に必須なことが、我々を含む研究から明らかにされてきた。 本研究では、マウスES細胞における脂質ラフトを構成する糖脂質に注目し、マウスES細胞における組成とエピブラスト幹細胞への分化による変化を明らかにした。また、この変化を担う糖転移酵素をトータルに制御する新たな機構も見出した。これらの結果から、糖脂質の変化が、未分化性からの脱却と分化の決定に関与する可能性が示唆された。
|