研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Na+,K+-ATPaseは生体内ATPの60%以上を消費するとも言われ、それによって形成されるイオン濃度勾配は様々な生命活動の基盤を成している。Na+,K+-ATPaseの異常は神経変性など多くの疾患の原因となるだけでなく、癌などに対する薬剤標的としてもNa+,K+-ATPaseは有用であることが多く示されている。したがって、その能動輸送の詳細な理解は学術的にも産業的にも重要である。本研究はなぜ、Na+だけを選択的に輸送できるのか、その仕組みを原子レベルで明らかにした。その巧妙な仕組みは学術的に興味深いだけでなく、遺伝性疾患におけるNa+,K+-ATPaseの異常の理解にも役立つものである。
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